翠月の零れる呟き

日常の呟き

『掻き集める欠片たち』






粉々になった欠片を

拾い集めて


無理矢理

蓋を押し込んだ


溢れて零れて

指先に傷を負う


それでも

見ないように

味わわないように


必死に掻き集めて

詰め込む


時々蓋が外れて

あちこちに

散らばってしまう


過去の苦しみの

欠片たち


何処かに

捨てることも


粉々にして

流してしまうことも


できないまま


見ないように

見ないように


掻き集めて


しまい込む



溢れてしまう度に


とてつもなく

苦しくなるだけなのに



拾い集めて

心から血を流す

『耀く』





頂点で耀く白い月


明るい所にいると

気付かない

真っ暗闇の夜空

宇宙の蒼


目を閉じて3つ数えて

こじ開けたら

白く耀く眩しい

月灯り


溢れる感情

ぶつかる想い

絡まる不安


潜り込んで

溺れてしまうと

なんにも見えなくなる


あちこち塞いで

叫んでみても

なんにも届かない


目を閉じて

冷たい空気を

深く吸い込んで


そっと

目を開けてみて


数え切れない耀く星

白く白く光耀く月


見失いたくないね

見失わないようにと

切に切に願う



自分の宇宙

『まだ大丈夫、もう少し大丈夫』





闇の中

心細く手繰り寄せる


小さな何かが欲しくて


ため息溢して

見上げる夜空


雲間に幽かな月灯り


闇に染まった心に

銀色の光を刺してくれた


まだ大丈夫

もう少し大丈夫


手探りで

迷いながらも


惑わされず

脅されず


闇夜に

引き摺られることもなく


灯りの方へ



大丈夫



明日が見えないと

泣かないで



あの悲しみは

あの人のもの



あの怒りは

あの人のもの



自分と他者を

交ぜ込まないで



朝は必ず

東からやって来る


太陽も月も

必ず心を見つけてくれる


まだ大丈夫

もう少し大丈夫