翠月の零れる呟き

日常の呟き

『砂みたいな世界』






足元が揺らぐ

爪先で探る

サラサラ零れる


砂の崖っぷち

崩れながら堕ちていく

人、人、人


脆く脆く

静かに消えていく

サラサラサラ


時間軸も

地球軸も

何もかもに構わず


微動だにできない

1ミリ先も届かない

指、指、指


触れるか触れないか

絡めたいのに零れてく

スルスルスル


砂の一粒に過ぎない

この命の儚さ

握りしめたつもりだった


そっと広げた掌

夢の1つも見つからない

サラサラサラ


砂の世界

指も足も全て混ざって

静かに消えていきました

『生きるって、簡単で難しい』






転げ落ちそうな心

青空が掬い上げてくれた


途切れそうなため息

春の風がかき消してくれた


こんなもんだよね

生きるって


今、今の繰り返し

大それたことじゃない


霞の向こうを

覗きたくなったり


深い穴の際を

歩いてみたくなったり


無駄な好奇心

握り潰しては放り投げる


逃げ道を見失ったり

踏み外して堕ちてしまったり


取り返しつかないことは

両の手で数えるほど


それでも

心って自由だから


うっかり転がったり

あっさり堕ちたり


青空見失って

座り込んでしまったり


その全てを

その何もかもを


味わいながら

楽しみながら



生きていくって

簡単で難しい

『指先だけで』





指先で紡ぐ

指先で愛す


指先で殺す


起き上がらなくても

その指先だけで


何かある度

焔のごとく燃やし尽くす


炎上


その後

何が残るかも考えず


皆がしてるから

面白そうだから


退屈だから

ストレスたまってるから


怖いね

この世界


残酷だね

この世界


流れ込む凶器に

目も心も血が滲む


空と揺れる木を

ぼんやり眺めていれば


深く息ができる

心がとても軽くなる


人との距離感が

解らなくなっていく