翠月の零れる呟き

日常の呟き

『月灯りから零れ落ちてくる』



言の葉がパラパラと

月灯りから零れ落ちてくる


掌の器にそっと乗せ

柔らかく包み込む


目を閉じて心静かに

温かさを味わう

『たくさんの感動をありがとう』



空の碧と芝の緑

鮮やかな色彩の中

真っ白のユニフォーム

キラキラと輝いた


ボールがネットに吸い込まれた瞬間

風も音も無い世界

碧を突き抜けるホイッスル

少し遠くから大きな歓声が耳に届く


「まだいける

まだ終わってない」

叫ぶ声と応える声


「大丈夫、大丈夫」

手を握りしめて心で祈る


最後の瞬間まで諦めない

11人の気持ちが一つになってた


信じる想いと

諦めない想いとが混ざり合う

「大丈夫、大丈夫」


長いホイッスルが空気を破る

膝をついて崩れ落ちた背中


長い間息もできなくて

悲しいとか寂しいとか何にも無くて


いつまでも立ち上がれない

その背中を目に焼き付けてた


かける言葉が見当たらない

言葉でなんか表せない


支えられながら並んだ列に

ただ力一杯拍手を贈る


お疲れ様

いい試合だった


たくさんの感動をありがとう

たくさんありがとう

『嫌なことって重なるよね』




すごく嫌なことが重なった

まだ重なるかもしれない


そんな日もあるよねって

まだ笑えるほど心の力が抜けない


情けない気持ちを叩くみたいに

雨がバチバチぶつかってくる


もういいよ

どうでもいいや


いっそ何もかも

土砂降りの雨と一緒に洗い流してよ