翠月の零れる呟き

日常の呟き

『夜空と心』




星が恋しくて

宇宙の碧が恋しくて


湿って暑い部屋から

抜け出したんだ


裏切られたよ


手が届くほどに

重たく低く覆った雲


この雲の向こう側

無数の星が輝いてる


でも今は


こっち側が苦しすぎて

向こう側のことまで

考えられない


余裕がないの


手探りで一秒一秒

やり過ごしてく毎日


心の軋む音ばかり

そこら中に響いてる


灰色に煙る夜空

たくさんのため息


指先の小さな光

儚く消えた灯火


壊れるよ

壊れたよ


心なんて強いもんだと

叩いて引っ張って

引き摺ってきた


気付かないだけだった

気付けないだけだった


心って壊れやすくて

破れてちぎれて

傷だらけ


あぁ

気付くのが遅すぎた?


あぁ

今更もう手遅れかな?


針と糸で縫い合わせ

テープで貼り付けてみたけど


もう遅いかな?

まだ間に合うかな?


恐る恐る

大切に抱き締めた

『私は意気地無しだ』



私は意気地無しだ


強がり言って

平気なふりして

笑ってみせて


心は大きく揺れ動く

大切な細々が

溢れて零れて消えていく


私だけかな?

みんな笑ってるけど

平気なのかな?


探り合い

駆け引き


何もかもが苦手だ


素直じゃダメなんだ

正直はバカなんだ

真面目は滑稽なんだ


そんな歪んだ想い

水で流して氷で蓋を


目を閉じて

全てのザワザワ

見えないように


嘘や脅しで

埋め尽くされた世界


目を閉じて

深く息をして


心の目を

もっと心の目を

大きく開けて


私は意気地無しだ

『心の糸がちぎれてく』



一人一人

違うのは当たり前


そんなこと

ずいぶん昔から

解ってたつもりだった


一人

野に放たれたような


途方にくれて

不安になって


何にも解ってなかったんだと

思い知らされる


自分は自分

人は人


こんなことすら

冷静になれない自分


これも又

学びなのかと言い聞かす


一本ずつ

心に張りつめた糸が


プツンプツンと

ちぎれてく