翠月の零れる呟き

日常の呟き

『次の季節の雨が来る前に』



春霞み

重たい花曇り


あれも無い

これも無い


忙しく通り過ぎる

たくさんの脚


踏まれて傷付いても

細い指で探し続けてる


何を落としたの?

何処に落としたの?


解らない

判らない

わからない


何にも

何処にも

見当たらない


時と雲が流れてく


花時雨

花時の雨


春時雨

春驟雨


いろんな雨が

何もかも洗い流してく


見当たらない

見付からない

見出だせない


次の季節の雨が来る前に

水溜まりが溢れる前に


その瞳に何か

耀きますように

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