翠月の零れる呟き

日常の呟き

『ああ、夢でよかった』


「ああ、夢でよかった」

目覚ましより少し早く目が覚めた


又ひとつ

不可能が増えるところだった


なんて嫌な夢なんだろう

今の現状からさほど遠くない

だからこそ苦しい気持ちになった


ワクワクして嬉しくて

手を伸ばしたら触れそうな距離で

儚く崩れ落ちて目が覚めた


夢じゃないのかもしれない

あやふやな気持ちが何よりも苦しくて


それこそが悪夢だと

新品の朝一番に

心がくしゃくしゃになった


「ああ、夢でよかった」


とりあえず気休めでも大きな声で

自分自身に言い聞かせるように繰り返す


「ああ、夢でよかった」

『自然という流れ』


雨に濡れる翠

嬉しそうに泣く蛙

葉っぱ達が輝いてる


命の歓びを感じる雨

空から降って木々の翠を湿らせ

川になって流れてく


自然の流れ

静かでもあり激しくもある

自然という流れ

『南の島が恋しくなる』



南の島が恋しくなる


遠い昔赤く染まったあの島

今はデイゴの花が咲いている

波の音が何処に居ても包んでくれる


遠い昔の、少し前の、悲しい話

美しい三線で奏でる

その魂の強さ、潔さ、深さ


目に入る碧は様々な碧

朝も昼も夜も

空と海が包んでくれる


あの南の島が恋しくなる