翠月の零れる呟き

日常の呟き

『冷たいね・・・』

風が冷たくて

指先が凍えた


「冷たいね」


温かいコーヒーカップ

両の手で包みながら

思い出す


「冷たいね」


あの時の

君の言葉


耳元で

聞こえた気がして

心震えた


「冷たいね」


寂しそうに笑った

君の横顔


素直になれなかった

あの時の僕


今更

胸が痛むよ・・・





『冬の夕暮れ』

寒い夕暮れ

小さな輝き

羽ばたく鳥



もしもとか

たとえばとか


そういう全てを



夜の闇が


もうすぐ

見えなくしてくれる




『あなたの声』

雨音バチバチ

窓叩く



スマホから

大好きな低い声



あなたの声は魔法

渇いた心に沁みていく



ゆっくりしっとり

私の全てを包み込む



雨音が騒がしい夜

傍に居てほしい



スマホに耳を押し付けて

「会いたいよ」と困らせる



困って笑う息遣いも

聞き逃したくないから



もっと、もっと

強く耳を押し付ける



会いたいのに

会えない距離が憎らしい・・・