『ただ生きる』
わずかに残り 冷たい風に揺れる紅い葉 春は溢れる花で 息詰まる世界を 桜色に染め 夏は眩しい青葉で 蝉時雨のなか 暑さに耐え 今 こうして なにも変わらない 灰色の世界 北風舞い散る 儚い彩り ただひたすらに 愚痴も溢さず ため息もつかず ただ生きる 春霞の中 夏の蒼い空の下 秋の穏やかな夕暮れ ... 続きをみる
『今更やっと』
「置いていかないで」 あの時の あの言葉 強い風のせいにして 聞こえないふりをした 目の前の1つ1つ 砂粒みたいなキラキラが どれほどまでに大切か どれほどまでに儚いか 気付くことすらできなくて 次へ前へと生き急いでた 振り向きもせずヒラヒラと 揺らした手のひら 何年も経った今 同じ掌を重たい空に... 続きをみる