翠月の零れる呟き

日常の呟き

『秋めいた月を見上げて』




月を見たくて外に出た

白く耀く月


ほんの少し秋の風

虫の声があちこちから響いてる


どんな気持ちでも

どんな立ち位置でも

どんな心でも


季節は流れてる

時は流れてる


今この瞬間も

過去になる


そんな小さなことなのに

そんな一瞬のことなのに


苦しくてたまらなくなって

しゃがみこんでしまう


ちっぽけだな

なんて


重たい心のまま小さく笑う

『生き急ぐこの人生』



高速道路の壁面のユリ

人が触れられないから美しい


凄い速さで通り過ぎる車たち

凛と咲き誇る赤いユリ


あ~~

生きてることと似てる


美しいものに目もくれず

スピードばかり競って走りすぎる


短い片道運転なのに

速く速くと争いながら


生き急ぐこの人生

『自分以外は他人だ』



自分以外は他人だ


そんな当たり前なことに

人は苦しめられる


親子だから

夫婦だから

恋人だから

友達だから


だから

「わかってくれる」


そんな思い込みで

苦しくなって憎くなって

嫌いになったりする


自分以外は他人だ


至極当たり前なこと

忘れてしまって


生きてる間

のたうちまわる


なんて愛しい

愚か者