翠月の零れる呟き

日常の呟き

『大好きだよ。大切だよ。』



君が元気ないと

色を失ってしまうんだ


前髪の下の瞳

素敵な言葉を紡ぐ唇


君の全てが閉ざされて

小さく踞って


名前を呼んだら消えそう

指先で触れたら壊れそう


僕は途方に暮れて

色を失った景色を見つめる


震える肩に

上着をそっと乗せた


大好きだよ

大切だよ


君の笑顔が見たいから

君の声が聞きたいから


少し勇気を出して

そっと抱き締めるよ

『サクラ』



枝で揺れる花びら

風に舞う花びら

川面を流れる花びら


全てがサクラ


長い時の流れの中

繰り返されるサクラの一部


儚げで艶やかで

底知れぬ強さをもつ


美しいサクラ

『「もしも」は要らない』


「ごめんね」

「本当にごめんね」


謝ってばかりだ


悪いことをしたから?

悪いことはしてないよ


いつもそうなんだ


どってことないのに

凄く申し訳無い気持ちで


臆病なんだろうな


もしも嫌われたらどうしよう

もしも変に思われたらどうしよう


「もしも」ってきりがない


「もしも」なんて言い出したら

何一つ怖くて動けなくなるよ


「もしも」は省こう


どうしようって思った時

頭の片隅で思い出そう


「もしも」は要らない


その時になると

つい忘れてしまうけど


繰り返し練習しよう


「もしも」は要らないんだって

消してしまおう