翠月の零れる呟き

日常の呟き

『ナイフを捨てて』




誰かに突き刺した

そのナイフ



戻せないよ



もちろん

無かったことにもできない



冗談のつもりでも

軽いノリのつもりでも



外側に向けた時点で

誰かを傷付けてしまう



ナイフなん捨てて

柔らかくて優しい何かを


外側に向けていよう




心の中がトキトキしても

外側には向けないでいよう

『いくじなし』




何を求めてるんだか

何を期待してるんだか



そんな時ほど

自分が空っぽだったりする



相手に求めてばっかりで

周りに期待ばかりして



自分は景色の一部に

溶け込んだように潜んでる



誰の人生なんだか

主役はお前なんだろとか


遠くから

響いてくるけど



半透明の自分は

息をするのも怖くて


じっと

しゃがみこんでるよ

『夢も希望もなくていい』



黒い雲が

のしかかる


気持ちも身体も何もかも

重たくて動けやしない


エサを吊るしても

希望を撒いても


1ミリも動けない


空から雨が降るように

心から涙が零れたら


少しは軽くなるのかも



雲を食べて

夢を食べて


進めた『あの頃』

思い出せない


遠く後ろの方に

小さく見える


『あの頃』

という名の自分



あやふやな記憶と

揺れ動くあさはかな夢



何処かに落としたみたい



振り向いて

顎をあげて遠く先を見つめる


いつかまた新しい夢

見逃さず拾えるように


ゆっくりでも

歩いてみようか


息が切れて

疲れてしまったら


好きなだけ

休めばいいか


「弱い」「強い」


そんなこと

どうでもいいから


『あの頃』でない

『今の自分』に合うスピードで


あちこち寄り道しながら

のんびり歩いてみよう




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挫けてもいい

落ち込んでもいい

泣いてもいい

怒ってもいい


とりあえず

生きてるだけで丸儲け


そんな気持ちを

心の隅っこにしのばせて


雨の日々を過ごしましょう